木材の話し
建築木材について
木材を利用していろんな物を作ろうとされますが、基本になる知識がないと、希望する感じにならなかったり、予算に見合わなかったりします。
価格が、どんな理由で違いが出てくるのか?どう注文したらいいのか?を説明します。
1,木材には、未乾燥材(グリーン材)と乾燥材(KDかAD)があります。
2,木材には、規格寸法と特注寸法があります。
3,木材には、加工材と未加工材があります。
4,木材には、丸みの品等級があります。
5,木材には、節のある、無しの品等級があります。
6,木材には、利用目的に応じた、材種があります。
木材は1~6の要素が、組み合わされて価格が決まってきます。
それ以外に、木材は相場により価格が変動する資材です。
その年度や季節、為替により変動します。
購入する本数・量によっても販売価格が違いますし、重くて長いので輸送費用もかかります。
1,乾燥、
原木から製材すると、その製材する前の原木の含水率によりますが、35%から120%になっています。
木材はその利用により目的とする含水の希望が違います。
木材で一番厳しい含水率を求めるのは、楽器です。
次が、家具、建具
次が、建築の一部
最後が土木用
土木用も乾燥していることに越したことはありませんが、
乾燥にはかなりの時間と費用がかかりますので、安価な材を求めると未乾燥材になります。
木材は、立て掛けたり桟をきったりして風通しを良くしておくと、自然に乾燥します(AD材)。しかし、時間がとてもかかり、数カ月~年単位となります。乾燥期間中の広い場所も必要になります。
近年、機械により乾燥することが出来るようになりました(KD材)。それでも1ヶ月ぐらいはかかります。
乾燥には費用がかかりますから、未乾燥材(グリーン材、G材)より高くなります。
乾燥材の利点は狂いが少なくなることです。
しかし、木材は狂うのが自然で、乾燥材に釘を撃つと抜けやすいが、未乾燥材は形状変化により釘を抱いて抜けにくくなります。
2,木材の規格
長さは、メートル単位で基本は3m、4mになります。
5m、6mもあります。
それ以上の長さも特注でできます。
米国材では12mまで生産出来ますが、輸送も含め9mまでになります。
国産材は、3m、4m、6mが基本になります。
2m材やその他の長さはこれらをカットして生産します。
欧米材のSPFは単位がft(フィート)になっています。1ftは約30cmで、8ftで2.4m、12ftで3.6mと日本規格とは違いがあります。
規格材は、その地域の利用の多いものを基本に在庫されています。
厚みも、幅も、元々の日本の規格、寸や分をcmに置き換えて基本としています。
幅は、3寸(9cm)、3寸5分(10.5cm)、4寸(12cm)、5寸(15cm)
厚みは、4分(12mm)、5分(15mm)、5分(15mm)、1寸(30mm)、1寸5分(45mm)になります。
3,加工
鋸(ノコ)で製材すると面がざらざらした感じになります。寸法も精度が少し悪くなります。
それで、モルダーと言う加工機械で精度よく加工します。
KD材は乾燥工程で寸法がばらばらになるので、基本としてモルダー加工材になっています。
あまり一般の方が理解出来ていないのが、このモルダー加工と仕上げ加工とは別だということです。
仕上げ加工とはモルダー加工した後にサンダーやカンナを使って仕上げる加工をいいます。内装や家具には、当然、されている加工です。
4,品等
一般に、木材は、特一等を基本としています。
特一等とは「丸み」が無いことで、農林規格ではこの下に、1等、2等と、あります。
昔、国産材の成長が足りず小さい原木を製材していた時代の品等で、現在では土木用材以外は特一等が基準になっています。
5,節
木材には、節があります。
一般的に化粧材は節が表面から見えない材のことを言います。また節がない面がいくつあるかによっても等級が変わります。
木材の化粧面の基本は、折がね二面が基本になっています。
難しいのは、四面が節が無い状態です。
また、最近多く注文をいただくのが、節があってもいい化粧材です。
原木は山で立っている時、上1/3に枝に葉っぱがあって生きていますが、残りの下は枝が枯れ落ちています。
つまり、幅が120cmまでぐらいは生きた節になりますが、幅が広くなると死に節になります。
節があってもいいが死に節はダメと希望されるが、節が無いものより難しくなります。
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