当社は 杉・桧・米松そして 賃引きを希望されて いろんな木材が持ち込まれます。
それらは 当然 鋸で挽きますので オガと言われる 木屑が出来ます。このオガは 挽く木材によって 出来る状態が違ってきます。 やわらかい木は大き目 固い木は細かい また 鋸には 帯鋸と丸鋸があります。 この鋸の厚みが 3mmから7mmぐらいあるので 鋸によっても 粒の大きさが違います。
この オガは 時代によって 資源になったり 産廃になったりを繰り返しています。
私の子供の時代 昭和の時代の話ですが 主に銭湯で燃やしていました。当家は平和温泉と言う銭湯を経営していました。その温泉は奥道後から引いていましたが、もう一度沸かし直さないといけませんでした。その燃料にオガを使っていました。成瀨製材のオガを使ったいたのですがそれでは足らず、いろんな所から集めていました。私はトラックの積み降ろしのアルバイトをしていました。 忘れられないのは 山越のある家具屋さん 恐らく棺桶を作っておられた。その小さな工場の2階に溜まったオガを横の窓から トラック1台分降すのに とても時間がかかったことです。大変でした。今 考えると 為替が360円で 石油が日本にとって とても高価だったのでしょう。
その後 温泉の燃料は 廃油になり 重油になって 現在に至っています。液体になると 自動化 無人化が出来るので 急速にオガの利用は無くなりました。
現在のオガの利用は 主に畜産の利用が多く、敷き藁の代わりになっています。これも 時代の移りで コンバインの普及の影響と思います。
もう一つが オガライト オガ屑を 焼きながら圧縮して固めた 炭の代わりの燃料です。それが 10数年前から このオガライトを もっと 高圧で圧縮する技術が出来て それにより高価な備長炭と同じぐらいの硬度にすることが出来るようになりました。 それで全国の焼き鳥屋さんが利用するようになり需要が増えました。
石油が安くなって 産廃になったオガ屑が 時代の進歩と 時代の要請によって 利用方法が変わっていきます。
今後の変化は バイオマス燃料と思います。
変わった利用を二つ
ある時 木下サーカスの人が来て かんな屑を分けて欲しいとの要請 オガ屑は鋸の屑ですが、かんな屑はプレーナー屑で 加工機によってプレーナーをかける時に出る屑です。
なんにするのか問うと ライオンの敷き藁がわりだそうです。 当時はプレーナー屑は畜産にもオガライトにも 利用出来ないので みかん山に捨てるような物でした。当然 無料提供でしたが その方に聞くと 京都競馬場では 年間1億円以上払って買って プレーナー屑を撒いてるそうです。所変われば 価値が出る・・・・
もう一つ ある時 鮮魚屋さんがオガを分けて欲しいとやってこられました。灯油の臭いのしない物が欲しい。
殆どのオガは灯油の臭いがします。 理由は 高速で回っている鋸は熱を持つので 冷やす為に 鋸に灯油を吹きかけています。 当社には 元となる4台機械の鋸の半分が灯油ブキ もう半分が水ブキですので 水ブキのオガは珍しく 喜んで利用されています。 エビの出荷に使っているそうです。
その他 機械屋さんが油汚れを掃除するのに 利用されています。
オガ屑は 機械から専用のタンクに自動で送風して 溜めるようになっています。それを 毎日 専属の業者が取りに来るようになっています。 製材所は このオガ屑が安定して処理できないと工場が止まってしまいます。 需要は季節によっても変化します。一時的な需要には 価格が高くても応じられません。
少量なら掃除を兼ねて ご協力申し上げます。
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